治療方法

マイロターグよる治療

2009年3月19日、マイロターグ開始

再移植前に2回の投与。抗がん剤ではあるが、白血球減少よりも血小板減少が顕著に現れるとの事。 すでに血小板は輸血に頼っている状態なので、採血にて血小板数を注意して観察。

マイロターグは肝臓に副作用が現れやすく、 すでに長期の治療で肝機能の数値が高いので、肝臓の静脈が詰まってしまう肝中心静脈閉塞症(VOD)には 特に注意して治療を行う必要がある。移植前にマイロターグを使用した場合、肝中心静脈閉塞症(VOD)の発生率が高くなりやすいとの事。

マイロターグの点滴は移植前に2回だけだが、できるだけ多くのがん細胞を移植前に倒して欲しいと切に願う。 なお、前回のフル移植で放射線量は12Grayであったが、肺への影響等を考えるとあと4Grayが限界らしい。 ミニ移植時は2Grayの放射線量で前処置を行う。


  

移植失敗後の亜ヒ酸(トリセノックス)による治療

2008年11月5日、トリセノックス開始

1回目の骨髄移植は正着不全が起き、失敗。 但し、その後、自己細胞が回復した為、緊急の再移植は避けることができた。 移植後の骨髄検査の結果は非常に量は少ない(移植が成功していればGVL効果で治癒が望めるレベル)が、 PCR法で陽性だった為、今後の再発が確実なものとなる。 再発時でも高い効果のあるトリセノックスによる治療開始。


トリセノックスは抹消(腕の点滴)より一日2時間程度の点滴。 無色透明で、抗がん剤のような吐き気や倦怠感の副作用もない為、 点滴終了後は連日、外泊が可能であった。平日は治療および外泊、 土日は休薬および外泊として、治療を行った。 トリセノックスの重大な副作用として、心電図QT延長がある為、週の始めと終わりに 、心電図を採り、点滴中は携帯型心電図を付けた。


・トリセノックスの用法及び用量

通常、三酸化ヒ素として、0.15mg/kgを5%ブドウ糖液あるいは生理食塩液に混合して100〜250mLとし、 1〜2時間かけて投与する。

(1) 寛解導入療法
骨髄寛解が得られるまで1日1回静脈内投与する。合計の投与回数は60回を超えないこと。

(2) 寛解後療法
寛解が得られた場合には、寛解導入終了後3〜6週間後に開始する。5週間の間に1日1回、計25回静脈内投与する。


私の場合はトリセノックスの副作用の一つである白血球減少が起きたので、 白血球が低下しすぎた場合は投与を中止した。治療期間中にはカリニ肺炎を発症。 これは白血球減少に伴う、免疫力低下に起因する。


完治を目指す為に、今後の治療方針は骨髄バンクによる再移植(ミニ移植)となる。 再移植までに、完全寛解を目指して、トリセノックスによる治療を行ったが、 43回の点滴で治療は終了した。これは、再移植前に白血球数が600個/ulとなり、 感染症の危険性が高まったことによる。また、 可能な限り、がん細胞を増やさないようにする為に、 トリセノックスによる治療期間中にAm80(アムノレイク)も併用して治療を行った。ただ、 再移植前の完全寛解には至らなかった。


  

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再発後(ベサノイド)による治療

2007年8月14日、ベサノイド開始

2008年7月 某日、骨髄移植

毎月の定期外来で血小板減少が確認され、再発の疑いがあることを告げられる。 その日の骨髄検査により、再発が確認される。 バンク経由による骨髄移植にて完治を目指す為に、寛解導入および維持を目的にベサノイドによる治療開始。 ベサノイド服用中は大きな副作用もなく、また、経口薬なので仕事への支障もなく、再発前と同じように過ごすことができた。 但し、移植の2ヶ月前に、耐性によりベサノイドは効かなくなり、再々発が認められた。

  

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初発時の治療(化学療法、APL97プロトコール)

2005年8月15日、入院(寛解導入療法開始)

骨髄穿刺(マルク)にて、白血病のタイプを検査。 寛解導入療法(ベサノイド&抗がん剤)及び骨髄機能回復まで約一ヶ月を要する。 骨髄機能低下中は、赤血球及び血小板の輸血を行う。骨髄機能が回復後、2〜3日の外泊(自宅休養)。


2005年 9月20日、地固め療法開始(1回目)

2005年10月17日、地固め療法開始(2回目)

2005年11月21日、地固め療法開始(3回目)

各治療の前に骨髄穿刺(マルク)を行う。 抗がん剤による化学療法及び骨髄機能回復まで約一ヶ月。骨髄機能低下中は、 赤血球及び血小板の輸血を行う。 骨髄機能が回復後、2〜3日の外泊(自宅休養)をそれぞれ繰り返す。


2006年 1月24日、強化維持療法開始(1回目)

2006年 3月 8日、強化維持療法開始(2回目)

2006年4月 5日〜5月15日、仮退院(自宅休養)

2006年 5月23日、強化維持療法開始(3回目)

2006年 7月25日、強化維持療法開始(4回目)

2006年 9月 5日、強化維持療法開始(5回目)

2006年10月11日、強化維持療法開始(6回目、治療コース全て終了)

各治療の前に骨髄穿刺(マルク)を行う。 飲み薬の抗がん剤&点滴の抗がん剤による治療。治療は外来ではく入院にて行う。 強化維持療法の抗がん剤投与は胸部のカテーテルではなく、腕からの点滴を用いる。 治療を重ねるにつれて血管が細くなり、後半の治療では血管炎が起きるようになったが、 その度に点滴箇所を変更して最後まで腕からの点滴にて治療を行う。外泊やお風呂の事を考えると、 腕からの点滴で治療できたことは、大きなメリット。 輸血は各治療毎に1〜2回必要。後半の治療では骨髄機能回復を充分に待ち、さらに抗がん剤の量も減ったので 輸血は必要なし。なお、5回目、6回目の治療では肝機能の数値が高くなったため、 標準の治療よりも抗がん剤の量を減らして治療を行った。


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あるAPL患者の強化維持療法の一例(本サイトの掲示板より抜粋)

退院して2ヶ月です。 私の強化維持療法は、自家骨髄移植の為の採取が2回とも使えない結果に終わったので、 再発時にはドナーを探す事になっています。 今は、弟に検査をお願いしていて、次の外来で結果がわかるみたいです。一致してると嬉しいのですが。 それよりも・・・再発からは逃げ切りたいです。


ベサノイドですが、私は外来で2年間の予定です。 3回目の地固めから1ヵ月後に末梢血採取して退院しました。


退院2週間後から
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マルク・ベサノイド(一日7錠×14日間)
外来(2週間おき+5週間おき×2回)
*********************
3ヶ月を8サイクルです。


今の所、実家で子育てをゆっくりと楽しんでいます。 急に頑張り過ぎると家族にも迷惑がかかると思い、子供は保育園通いです。 疲れとストレスが退院後にはタブーです。


強化維持療法治療は外来のみです。 肝臓を休ませるために、ベサノイド(3ヶ月サイクル中に2週間飲)以外の薬は全く飲んでいません。 明日が5週間ぶりの外来です。 血液検査と喉・呼吸などの診断のみで結果が良かったら、また5週間後に外来です。 次は・・・マルク予定で、2サイクル目のベサノイドが始まります。 2・5・5週間おきの3ヶ月サイクルです。 外来で、待合室や病棟で患者仲間と久しぶりに会えるのも楽しみです。


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あるAPL患者の強化維持療法の一例(本サイト管理人の場合)

寛解導入、地固め3コースが終了すると、今後は強化維持療法。 やらない人もいるし、自分の場合はAPL97のプロトコールに 従って入院を伴う抗がん剤(点滴+飲み薬)による治療を6コース。ベサノイドは飲まないみたい。 ATRA症候群の件もあるし、この治療方法で治癒を目指します!


以下の文章は本サイトの掲示板より抜粋


維持療法ですが残念ながら確立された方法はないようです。抗がん剤による維持療法、 ATRAだけを飲む方法、AM80という改良型のATRAだけを飲む方法、 ATRAと抗がん剤併用のフランス式、維持療法無しなど様々ですが病院によって 受けられる治療法は異なります。わたしは色々調べた結果フランス式を受けたかったのですが、 それをしている病院まではたどりつけず、後になって九州大学で行っていることを知りました。 現段階の日本の標準治療ではATRAかAM80を飲むのだろうと思います、いずれにしろ 主治医ととことん話をされるのが良いと思います。 フランス式も東京ならば相談に乗ってくれる先生がいらっしゃいます。(パスタ野郎さんより)
より詳しい説明はどんぐり博多へ行く!


主治医と話をした結果飲み薬の抗がん剤プラスATRAを3ヶ月に1度15日間だけ飲む治療で行くこと になりました。本当は2週間に一度外来で点滴による抗がん剤をするプロト コールみたいなのですが飲み薬の抗がん剤でもかわらないみたいなのでそちらでいくことになりました。(シゲさんより)


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