骨髄移植

再発発覚

抗がん剤による治療を一年近く行い、その後、職場復帰もしましたが、再発

退院から9ヶ月後の外来(月1回ペース)で、血小板が15万/μl→10万/μlに低下。 再発の可能性があるので、次の週に再外来。血小板7万/μlに低下。 再発の疑いが強い為、その日に骨髄穿刺(マルク)。そして、入院

マルクの結果は骨髄に60%以上の白血病細胞が確認。再発。 入院中は治療薬として、ベサノイド(朝3錠、昼3錠、夕2錠)を服用。 目立った副作用としてはゆるい頭痛。頭痛は数日で自然になくなった。 ベサノイドにより、徐々に血小板が回復。 2週間ほどして、骨髄穿刺にて寛解が確認されたので、退院。 その後は外来に切り替わる。 退院後はベサノイド(朝3錠、昼3錠、夕2錠)、 およびユベラ、リピトールを継続して服用。退院後は職場に戻る。

今後の治療方法を担当医と相談。自家移植か骨髄移植かで迷う。


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肝臓の問題

長期の抗がん剤による化学療法の影響で、肝機能の数値が高い状態が一年以上続く。 ウルソを処方されるが、大きな変化はなし。

今後、移植治療が予想されるので、肝機能の数値が高い原因を調べるために、肝生検を行う。 肝生検は超音波検査で肝臓内部を見ながら肝臓に細い針を刺して、組織の一部を採取。 最も正確に肝臓の状態を調べることができる検査。 麻酔によって痛みはあまり感じない。針を刺してから4時間程度は安静にする必要があるので、 入院する必要がある。

肝生検

肝生検の結果、 ヘモクロマトーシスという症状であることが分かった。 前回の治療に伴う輸血などにより体内に鉄分が過剰に蓄積して、肝機能に影響を与えている為、 週2回の鉄キレート剤の点滴を外来で半年程度続ける。

鉄キレート剤により、血液中の フェリチンの数値も低くなり、肝機能の数値も正常より少し高い程度まで改善した。

肝機能の数値が高いと、薬の投与が制限されるなど、治療に影響があるので、少しでも正常に近づいて良かった。


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治療方法の選択

現在の 急性前骨髄球性白血病(APL)に対する治療戦略は 再発または難治性のAPLに対しては、まず亜ヒ酸により再寛解導入を行い、 分子寛解(PCR法で異常な遺伝子が検出されない状態) が得られれば自家末梢血幹細胞移植を、 白血病細胞が残存する患者さんでは同種造血幹細胞移植を、 適合ドナーがいなければタミバロテンや亜ヒ酸による維持療法、 あるいは抗体医薬のゲムツズマブ・オゾガマイシン(抗CD33抗体:マイロターグ) 等の治療が行われる。


担当医は骨髄移植を第一候補にあげる。私の場合の理由として、

  • 既に地固め3回、強化維持療法6回の化学療法を行っており、 自家移植後に再発した場合、次に骨髄移植となると体への負担も大きい。

  • 兄弟がいない為、バンク経由の骨髄移植となるが、ベサノイドにて寛解を維持しており、 骨髄バンクのドナーさんが決まるまで、寛解を維持できる可能性が高い。 (8月にバンクに登録して、骨髄移植日は次の年の7月でした。約1年間)

  • 年齢が若い(移植成績が良い)

  • 亜ヒ酸は使用せずベサノイドのみの服用であったが、 再発から6ヶ月後の骨髄穿刺で染色体異常が確認されたので、自家移植より骨髄移植が適応。

  • 同種造血幹細胞移植の場合、 ドナーリンパ球輸注、免疫抑制剤の調整など、骨髄移植後の再発にも対処方法がある。

自家移植では GVHDが出ない代わりに、 GVT効果も期待できないので、白血病完治を目指して、 バンク経由による非血縁間同種造血幹細胞移植を選択しました。


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骨髄バンクによる骨髄移植(1回目、フル移植)

化学療法終了後、再発が確認されたので、骨髄移植に向けて、骨髄バンクに患者登録。 患者登録してから、およそ11ヶ月後に一座不一致のドナーさんから骨髄移植。 最初の生着は確認されたが、2次性生着不全にて、 移植失敗。 但し、その後、自己細胞が回復した為、緊急の再移植は避けることができた。 移植後の骨髄検査の結果は非常に量は少ないが、 PCR法で陽性だった為、今後の再発が確実なものとなる。



骨髄バンクによる骨髄移植(2回目、ミニ移植)

1回目の骨髄移植後の骨髄検査(PCR法)の結果は、量は少ないが陽性だった為、 治療方針は再移植となる。患者登録後、およそ6ヶ月後に一座不一致のドナーさんから ミニ移植にて再移植。 2回目の移植は、順調な経過をたどる。1回目の移植後の骨髄検査(PCR法)でがん細胞は 101と非常に少ない量になっていたが、 再移植前の骨髄検査(PCR法)では、がん細胞は 105に増えていた。強い前処置を行わないミニ移植では すぐに陰性化の可能性は低く、免疫抑制剤の減量にて、移植によるGVL効果で ゆっくりと陰性化を目指す治療法になると考えていたが、移植後すぐにPCR法で陰性化が確認された。 ミニ移植の前に、マイロターグにて治療を行えた事が良かったのかもしれない。


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